※ 主に受験を考えている方向けの記事です

はじめに

こんにちは、教員の土田です。

このページにたどり着いたあなたは、「文化情報工学科って、一体どんなところだろう?」と気になっている方かもしれませんね。

実は、私がこの学科のカリキュラムを初めて見たとき、「これは面白いことになりそうだぞ…!」と、正直ワクワクが止まりませんでした!

この記事では、共創工学部文化情報工学科の一教員として、そして新しい分野に心を躍らせる一人として、文化情報工学科がどんな場所なのか、そこで学ぶことが皆さんにとってどんな意味を持つのか、私の正直な思いを少しだけお話しさせてください。
(もちろん、カリキュラム作成に直接関わったわけではないので、あくまで私なりの視点です!)

「データサイエンス × 人文学 × 工学」

私が文化情報工学科のカリキュラムを見て最初に感じたのは、「データサイエンスをど真ん中に置いて、歴史や文化といった『人文学』の知識と、ことづくりやものづくりにつながる『工学』の知識を掛け合わせることで、今までにない新しいベクトル(新しい価値)を生み出そうとしているんだな」ということでした。

学科の学びの流れを見ると、基礎から応用へとステップアップしていく中で、常に「データサイエンス」が軸になっています。そこに、情報工学系の科目や、歴史学・芸術学といった人文学系の科目が接続されていくイメージです。
https://www.te.ocha.ac.jp/ug/cul_eng/gakkamenu/d013638.html

特にデータサイエンスに関しては、基礎から応用、さらにデータマイニングなどの専門分野まで、かなり本格的に、そして体系的に学べるようになっています。正直、皆さんが学部3〜4年生で学ぶ内容は、私が大学院で教えているレベルに近い部分も多いんです。それくらい、深く専門的に学べる環境だということ。 (だから、今の1期生が大学院に来る頃には、私ももっと講義内容をレベルアップさせなきゃな…と、内心焦っています!)

土山先生がデータサイエンスの知識を網羅的に、そして情熱を持って伝えようとしている姿は、同僚から見ても本当に頼もしいです。これをしっかり身につければ、それは間違いなく学科生にとって「他にはない強力な武器」になります。データサイエンスをここまで体系的に学べる大学生は、全国を見ても本当に少数です。学科生になって学ぶこと・学ぼうとしていることは、想像以上に価値があります。
社会人になってから「学生時代に体系的に学んでおけば…!」と後悔している人は、本当にたくさんいると思いますよ!

「情報科学科」との違い、そして「文化情報工学科らしさ」

「C言語のようなプログラミング言語をしっかり学ぶ機会は少ないの?」「データ分析ばかりで、自分で何かをつくることはできないの?」
——そんな疑問を持つ人もいるかもしれませんね。

まず結論から言うと、文化情報工学科でも1年次に Python を用いたプログラミング基礎と、共通教育での情報リテラシー科目で「最低限」はしっかり押さえます。そのうえで──

情報科学科
・アルゴリズム/OS/ネットワークなど 「コンピュータ内部」を徹底的に掘り下げ、「新しい道具そのもの」 を生み出す学び。

文化情報工学科
・1年次に基礎を押さえた後、2年次からデータサイエンスを軸に 「その道具をどう使って社会や文化に価値を生むか?」という 応用・創造フェーズへ一気にシフト

ここが両学科のいちばん大きな違いです。
でも、だからこそ際立つのが 「文化情報工学科らしさ」 だと私は思っています。

文化情報工学科で中心になる「データサイエンス」は、単なる分析ツールではありません。 大切なのは、分析の先にある「問い」と「創造(つくる)」です。 つまり、「データを分析して終わり」ではなく、「じゃあこの結果を踏まえて、次に何をどうつくるか?」まで考え、実行していく力こそが、この学科の醍醐味だと思います。

たとえば、最近は生成AIなどの登場で、昔よりもずっと簡単にプログラムを書いたり、アイデアを形にしたりできるようになってきました。これからの時代は、企画を立てるだけでなく、それを具体的な形にすることの重要性がますます増していくでしょう(参照)。もちろん、コンピュータの中身を深く理解したい人や、インフラの設計・運用に関心がある人には、それに合った専門的な道があります。 でも一方で、「社会や人間の営みの中で、技術をどう生かすか?」に興味がある人にとっては、基礎的なプログラミング知識を身につけた後は、ツールをどう使って新しい価値を創っていくかが、これからますます大事になっていくと思います。

これはもちろん、情報科学科を否定するものではありません(新たなツールを生み出すためには、そうした深い探究が必要不可欠だと思います!)。 ただ、文化情報工学科を目指すみなさんには、「文情らしい」創造的な学びのスタイルがあるんだよ、ということをお伝えしたかったのです。

情報科学科文化情報工学科
学びの軸コンピュータ内部・アルゴリズムデーターサイエンス×人文学×工学
主なアウトプットシステム・サービスを作るデータをもとに価値を創る
向いている人技術そのものを深掘りしたい社会・文化をアップデートしたい

文系知識との融合が生み出す可能性

私が個人的に「これは素晴らしい!」と思っているのが、3年生で歴史や芸術などの文系科目が選択必修になっていることです。 ここでは、学科生の方々が磨いてきたデータサイエンスのスキルがフル活用されるのではないかと思っています。文系の先生方に、「先生、このテーマならこんなデータ分析ができます!」「こういう切り口で分析すれば、新しい発見があるかもしれません!」っと、学生からどんどん提案していくようなスタイルになるのではないかと期待しています。

3年生の頃には、データサイエンスに関しては、学科生の方がほとんどの先生方より詳しくなっているはずです。先生方も「そんな分析手法があるのか!面白い、ぜひ一緒にやってみよう!」と、新しい共同研究やプロジェクトが始まる可能性は、本当にあると思っています!

「分析」から「創造(つくる)」へ

さらに、理系の先生方が教えてくれる専門知識や技術(例えば、センサー、システム制御、メディア技術など)と、学科生が学んできたデータサイエンス力を組み合わせれば、可能性はどんどん広がっていきます。「分析」だけで終わらせず、「つくる」ことにつなげていけると思います。

私がイメージしているのは、例えばこんなことです:

  • 人々の文化的な行動や、それを取り巻く環境の変化をセンサーで捉えて、そのデータを機械学習で分析し、リアルタイムに反応するインタラクティブなシステムやアート作品をつくる
  • 歴史的な資料や文化財のデータ分析結果をもとに、3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタルファブリケーション技術を使って、文化を新しい形で伝えたり、学んだりするためのメディアや教育ツールを開発する

これらは、まさにデータサイエンスを軸にした「ものづくり」であり、「ことづくり」です!

文化情報工学科ならではの強み

データサイエンスは、「分析して終わり」の学問ではありません。その知識や考え方は、リアルタイムの信号処理、システムの制御、メディア表現など、本当に多くの分野に応用できる、非常に汎用性の高いものです。

文化情報工学科では、データサイエンスを単に「使う」だけでなく、それを応用して「新しい価値を創造する(つくる)」ステップへと進むことができます。このような、データサイエンス・人文学・工学の融合を前提とした学びは、特定の専門分野を深く掘り下げる情報科学科の学びとはまた違う、文化情報工学科ならではの大きな強みだと、私は本気で思っています!(情報科学科でも選択科目でデータサイエンスに触れることはできるかもしれませんが、この「分野を横断する視点」と「応用力」は、文化情報工学科だからこそ得られるもののはずです…!)

最後に:皆さんと研究できる日を楽しみに

ぜひ、我々教員が今、どんな新しい研究に挑戦しようとしているのかにも注目してみてください!
それぞれの専門分野の延長線上だけでなく、「文化」という大きなテーマを情報工学の視点から捉え直し、この学科らしい新しい研究領域を開拓しようと、我々自身もワクワクしながら取り組んでいます。

皆さんがこの学科で「データサイエンス・人文学・工学」という三種の神器を身につけて、土田研究室のドアをノックしてくれる日を、心から楽しみにしています!

正直な話、皆さんがデータサイエンスをこれだけ体系的に学べる環境は、本当に羨ましいです。私も混じって学びたいくらい。
だからこそ、皆さんが研究室に入ってきた時には、 「こんな分析方法もあるんじゃないですか?」 「こういうテーマで研究したら、面白くないですか?」 と、皆さん自身の視点で、どんどんアイデアを私にぶつけてほしいなと思っています。

「こんなことできるかも」「こういうの作ってみたい」という想いを、教員と一緒に形にしていきましょう。

そして、いつの日か…皆さんが文化情報工学科で学んだことを土台に、新しい領域を切り拓き、博士(共創工学)取得第1号になってくれたら……もう、最高です!!!

文化情報工学科は、皆さんの知的好奇心と創造力を、きっと刺激してくれるはずです!
オープンキャンパスや説明会などで、ぜひ直接話を聞きに来てください!
少しでも興味ある方は気軽に土田までご連絡ください
待っています!!!